私は当時25才の女性で飲料の商品の営業をしていました。
仕事内容としては、会社で扱っている飲料を、できるだけいい場所で売り、注文いただくために、スーパーやドラッグストアを巡回し、担当者に営業しました。
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私が飲料の営業を退職しようと思った理由
私が会社を辞めたいと思ったのは、同業他社との競争が激しくなり、スーパーやドラッグストア、その他の量販店などで、はげしい安売り合戦が起こったからです。とくに飲料は、日常的に飲むものであることから、お客さんは価格をとても重視します。そのため、同業他社が、どんどん価格を下げていく流れが起こりました。価格が安くなったり、おまけがついたりすることで、それらの商品は、店頭のいい場所に配置されたり、チラシの目玉商品として紹介されたりするようになりました。
そこで、私の会社も例外なく、店舗周りの時間の合間をみて、商品の売り上げを伸ばすために、店頭販売をするように言われました。店頭販売は、実際に商品の購入を検討するお客さんと、直に話すことができるため、とても勉強になります。
私自身、学生の時にアルバイトで販売業もしていたので、店頭販売自体は楽しいことも多かったです。しかし、営業で回りながら、店頭に立って販売するのは、とにかく大変でした。そのような日々を重ねるなかで、日増しに体の疲れが取れなくなってきました。精神的な疲労感がひどくなってきました。スーパーやドラッグストアは、休日のほうが集客があります。そのため、休日に出勤することもでてきました。
このように、休みも十分に取れない日が続いたことから、私は会社を辞めたいと思うようになりました。加えて、お客さんからの言葉も、会社を辞めたいと思うきっかけになりました。
たとえば、お客さんによく言われたのが、「ほかの会社はいくらだった」という言葉です。お客さんに言われた値段がものすごく安いと、自分の売っている商品の価値は、そんなに低いのかとさみしくなりました。もちろん、自分が消費者でしたら、できるだけ安い商品を買いたいと思います。しかし、商品はさまざまなコストがかかっています。そして、私自身の労力も値段に含まれています。過度に安くしてしまうと、原価割れしてしまい、会社にとってはマイナスになるため、上司には「値段を下げないでたくさん売れ」と指示されます。お客さんの要望と会社の要望のあいだの板挟みになり、自分は何のために働いているのだろうと疑問を持つようになりました。
楽しく仕事をしているときは、お給料は気になりませんが、つらくなると、自分のお給料も気になりだしました。自分の苦労と比べて、給料が少ないという思いが、しだいに頭から離れなくなり、仕事をする気もなくなってきました。
そんな状況だったので、一度、しっかりと仕事と向き合い、本当にこの会社で働き続けるのか、考える時間を設けました。また、同僚の多くは、私と同じ気持ちを持っている人が多かったので、あえて別の業種の人に相談をすることで、客観的に判断する材料を集めました。
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結局利益を考えたくなくて、退職し大学院へ
20代後半は、まだ色々な人生にチャレンジできると思い、辞表を出すに至りました。それから、自分の母校の大学院に進学しました。このような選択をした理由のひとつが、少しのあいだ、利益の追求から離れたいということです。 大学院をでたあと、思い切って、大学の教育職につくために、就職活動をしました。大学への就職は、希望者も多いことから、とても難しいと言われています。
しかし、最近の大学は、教員の社会人経験を重視ししていることもあり、営業の経験が就職活動にプラスに働きました。今は、授業をしながら、就職活動中の大学生のサポートもしています。このように、転職は、営業として働いていたことも活かせたため、正解だったと思っています。
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今の仕事が楽しくない、辛いと感じているあなたへ
自分の好きなことを、楽しくできる環境にある人は、多くはいないと思います。大部分の人は、十分にやりがいを感じられない、自分の仕事が評価されていないと思っているでしょう。でも、自分がしている仕事は、あとできっと役に立つ日が来ると思います。自分では、何でもない仕事だと思っても、異なる業種のなかで、思いがけない評価を得ることがあります。転職を検討するにあたり、同じ業種にこだわるのではなく、視野を広げてみるとこも、大切だと感じています。
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