保険営業疲れた。先が見えませんでした。心身が壊れる前に退職した30歳男性の体験談。

 

               
             

 

私は当時30歳の男で、保険代理店の営業をしていました。
仕事内容は、20社を超える生命保険及び損害保険の新規契約の勧誘。
および会社の既存の顧客のアフターフォローや毎年更新の自動車保険や火災保険などの継続手続き。
また、自動車保険加入顧客の事故時の対応(24時間対応)などでした。

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私が保険代理店で働いていた時のノルマの内容

私の会社のノルマは、一応会社としては「ノルマではなく、自分で決めた目標」という言い方をされていましたが、会社全体のその1年の目標の収益から、営業社員ひとりひとりの普段の成績や勤務年数、役職などを考慮して、目標とするべき売り上げ額(顧客の1年の保険料ベース)を、実質的にノルマとして設定されていました。

色々と考慮され額は決定されるのですが、基準があいまいなため、特定の個人がやたら多いあるいはやたら低いというようなこともありました。
年間保険料で200万の月があったと思ったら、その次の月は300万、その次の月は400万など。

私はノルマ達成するために既存の顧客の金額もノルマの中に織り込まれているので、絶対に顧客を落とすことがないように指導されたのと、既存の顧客から新しい保険の案件を引っ張ってくることを考えました。新規は友人などをあたり、契約をしてもらおうと考えました。

ノルマが達成しなかった場合は、特に具体的に決まった罰などはないのですが、月に一度行われるミーティングにて、
なぜそのノルマを達成できなかったのか?
この理由を詳細に述べ、そして来月にはどのように改善していくか?を説明する時間が設けられました。

上司や後輩を含めてそのミーティングにいるスタッフから
その達成できなかった理由や来月の改善点についてかなり色々な質問や突っ込みが入り、達成できない月が続くとスタッフの口調も厳しくなっていきました。

私のノルマの達成状況は、大体二ヶ月に一回くらいの達成でしたので、まだマシでしたが、後輩の中には10ヶ月連続で達成できなかった人もいました。
その後輩は後日個人的に面談がありました。
これからの改善点を上司と話し合う、というのが名目だったようですが、実際には給与の減額の話がメインだったらしく10パーセントほど引かれたと話していました。

私は3ヶ月達成なら給与アップという規定がありましたがそれには該当せずそのままでした。

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私が保険会社の代理店を退職しようと思った理由

ノルマが辛くて辞めようと思った具体的なことは、月末に近づき数字が良くないと、既存の顧客の前担当であった上司が勝手に顧客にアポをとることでした。
本来ならありがたいことと捉えるべきなのでしょうが、具体的な話の内容はなく、「とりあえず行かせますから」というざっくりなアポなのです。

そのため、こちらも唐突な保険の提案になってしまったりして、顧客からは売りつけに来たのか、と言われたり「前の担当の◯◯さんは良かった」という話を延々と聞かされて終わる、ということもありました。

結局、そんなアポがかなり入ってしまい自分が組み立てた営業のスケジュールが組みにくくなり、非常にしんどかったです。
何度か上司には伝えたのですが、むしろ感謝すべきというようなことを言われてしまいました。

ノルマについては、月によりかなり異なる場合があります。
それが、前月の結果などを受けて変わるなど、明確な誰が見ても分かるような理由なら良いのですが、前月はダメだったから、やる気を出すために今月は目標を高めに設定してみよう、など逆効果ではないのか?と思うようなことが多かったため、そんな設定をされた月は毎日達成できる見込みがないと落ち込んで、夜も、毎日すごく明確な夢を見る(つまり、それだけ眠りが浅かったということです)など体調も優れなかったです。

結局退職することにしました。
ノルマの数字の基準がよくわからないままだったこと、急に上下するなどが続きました。

ある日2ヶ月目標を達成した先輩が、3ヶ月目にそれまでの3倍近くの目標を設定され、結局達成できませんでした。
やる気を高めるためとのことでしたが、3ヶ月連続達成での昇給を阻止するものだったのでは?という疑念が生じ、これが退職のきっかけになりました。

現在は別の仕事で給与も下がってしまいました。
今は全く別の業種で、営業ではなく作業系です。
しかし作業系は1時間あたりの作業工数などの数字のノルマがあり、やはりどんな仕事をするにせよ、ノルマというのは存在するのだなあ、ノルマからは逃げられないのかなと思っています。

しかし、以前の営業職のノルマよりも自分のペースで達成がしやすいので向いていると思うので、自分としては転職して良かったと思っています。
あのまま続けていれば、精神を病んでいたかもしれません。

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ノルマで苦しんでいる営業マンのあなたへ

ノルマを達成せよと言われると、人はどうやったらノルマを達成できるのか?を一生懸命考えます。
もちろんまずはそれで良いと思います。
向いている人だったら簡単に達成できてしまうかもしれないし。
でも、そのノルマ自体を疑う気持ちも持った方が良いと思います。
そもそも無茶苦茶なノルマの設定をされて、それが達成できないせいで精神や肉体を壊してしまったら、これほど馬鹿らしいこともありません。
ノルマの基準をできればみんなで話し合い、納得するということが大事だと思います。

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